MADE IN JAPAN のフレームについて
SUPER WELDING
MADE IN JAPAN
PALM GARAGEのスーパーウェルディングフレーム
ちょっとお堅いハナシで恐縮です。
Pailmgarageのフレーム採用のスーパーウェルディングを紹介したくページを作りました。
往年のニッポンの名車、「山口の自轉車」に採用されていたフレーム溶接方法です。
マニアさんの中では、よくご存じな「べニックス」にも使われていました。
後で説明しますようにラグを使用しないので「ラグレスフレーム」になりますが、
現在主流のTIG溶接にはない、simple and smartなお気に入り。
今で限られた職人さんしかできない工法で、供給いただいていること感謝!!です。
ザグリ加工
互いに接触するフレームチューブ(パイプ)がピタッと密着することがとても重要です。
溶接前に、全てのチューブは、図のように「ザグリ加工」が施されます
01_holesaw.pdf (0.06MB)
スーパーウェルディング
溶接、ウェルディングと書いてきましたが、実際にはロウ付け、ブレイジングが正しいです。
溶接は、チューブの一部を溶かして接合するものです。
しかしややこしいので、以下「溶接」、「ウェルディング」とします。
スーパーウェルディングでは、真鍮(しんちゅう)成分を主としたロウ材を使用し、
加熱温度は鉄の溶融温度(約摂氏1500度)よりはるかに低い500~700度で加熱して、
チューブ内部にセットしたロウ材を溶かして、チューブ同士を接合する方法なのです。
図では、接合部分だけを説明しましたが、接合加工中は、
設計されたフレーム各寸法が保たれるように、ジグ(治具)と呼ばれるものを使用して、
フレームをある意味がんじがらめにして固定しながら、慎重に溶接を進めていきます。
フレームチューブ内側でシッカリ接合しているので、
フレーム外面は溶接跡がほとんど見えず、クリーンな外観を獲得できるのです。
02_super-weld.pdf (0.15MB)
<ご参考> その他の溶接方法
TIG溶接
スポーツバイクだけでなく、現在は多くのママチャリでも採用されるTIG溶接。
マウンテンバイクの黎明期からも採用され、きちんと加工すれば、強度の高い接合方法です。
かつて、マウンテンバイクは日本から北米へ多く輸出されましたが、その後、台湾、中国へ生産拠点が移り、
彼の地ではTIG溶接が主流となり、ママチャリにもTIGが展開されたということです。
また図にあるように、TIGの盛り上げで接合を持たせることができますので
廉価なママチャリでは、溶接前のザグリ加工が甘い場合でも何とか強度が保たれるようです。
また、盛り上げ部のTIGのビードが外観に現れます。
特にアルミフレームなどでは、大きなウロコ模様をご覧になられたこともあるかと思います。
TIGは、チューブの一部溶かしますので「溶接」です。
台湾、中国ではTIGが一般化したので、ロウ付けができる職人さんが少ないです。
特にスーパーウェルディングができる職人さんは、皆無と言えます。
03_tig.pdf (0.17MB)
ラグ溶接
日本では、19世紀から英国で採用されていた、ラグ溶接・・・、前述のように正確にはラグロウ接です。
日本では、ラグ溶接が盛んでした。マウンテンバイクですら、ラグフレームが多くありました。
ママチャリ系では、コストを抑えるために、下記例で示した一本ヘッドラグタイプ。
スポーツ系では、例で示したラグ溶接が多くありました。
そして、スーパーウェルディングを代表とする、ラグを使用しないラグレスフレームがあったのです。
Palmgarageでは、日本製を象徴するロウ接フレームの中でも、simple and smartな
スーパーウェルディングを採用しているのです。
04_lug.pdf (0.08MB)
ラグレスにおけるそのほかには、フィレットブレイズと呼ばれる方法もあるのですが、
かこれは大きな強度が必要とされるマウンテンバイクの中のハイエンド工作です。
Palmgarageでも一部採用しています。